釣道の頂を目指して

巨大魚に心を奪われたアングラーの心の掃き溜め。文多め、釣果少なめ。臆病で小心者の釣り人が描くサクセスストーリー(予定)。

鮫、釣り上げた後

今日の朝まずめ

 

暗いうちからポイントに入るもトップで反応がなく、活性が低いと判断しベベルで(イメージとしては)ボトムからサーフェイスまで探ってみる。

 

ジャーキングを繰り返していると中層付近で突然ルアーが引ったくられ、ドラグを出される。

GTか?

期待で胸の鼓動が強くなる。

ハンドドラグで応戦するも引きが強く何度か走られる。

止まったところでギンバルに竿尻を入れ体重をかけてポンピング。

沖で魚が浮いた。

ここでサメと確信するも、集中力を切らさないように「今の背鰭はキハダだ!」と無理矢理自分に言い聞かせる。

流れに乗られ隣の瀬にすられそうになるがベールフリーで沖に出し、そこから足元まで強引に寄せる。

浮いてきたのはやはりサメ。

 

磯際で浮かせて勝負あり、、、。

のはずだったが、ここからが地獄だった。

足場が高く波も低いため重い魚体を磯の上にズリ上げられない。

ただただ足元で波に合わせて上下するサメを磯際に留めておくことしかできない。

リーダーを掴んで引っ張り上げようとするもビクともしない。

 

15分くらい試行錯誤しただろうか。

たまに来る若干高い波に乗せ少しずつズリ上げ、ついにギャフがけに成功。

 

重い…。

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1mは優に超え、重量も控えめに言っても持った感じ20kgは下らないだろう。

1人でのランディングは恐怖との闘いでもあった。

GTをランディングする時のこともきちんと考えなくては…。

 

サメは磯の上にズリ上げた時にはもう動かなくなっていた。

ずっとエラを水面より上に上げて耐えていたから当然なのだが。

ギャフで開けてしまった穴も痛々しい。

釣り上げたはずなのに、爽快感や達成感はなく、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

なぜならこいつは本命ではないから。

浮かせて確実に勝負があった時、糸を切ってリリースするという選択肢もあったはずだ。

デッドとなってしまったことに後悔が残る。

 

真剣勝負だったんだ。

しょうがない。

自分に言い聞かせる。

 

いや、それは言い訳だろう。

もちろんこの魚を手にしたい気持ちはあった。

でも、ルアーを回収したい気持ちとか、折角掛けたのだから証拠として写真を撮りたいという気持ちも強かった。

 

自分は釣った魚を滅多にSNSに投稿しない。

(釣れないというのが一番の原因だが、)理由の一つとしては見せびらかすために綺麗な写真を撮ろうとして無駄に時間を掛けてしまい、結果としてデッドに繋がってしまったケースを何回か経験しているから。

デッドになってしまったらそれはリリースではない。

リリースより映えを優先するのは釣り人として最高に格好悪い行為だと思う。

リリース動画とかも好きじゃない。

そんなの撮ってる暇があるのならばさっさと逃せばいい。

 

だが、今回、自分はそれをしてしまった。

ルアーが勿体無くて、何か証拠が欲しくて、ブレてしまった。

しかも、次回同じような状況に陥った時、糸を切ってリリースできる自信がまだ自分にはない…。

それでもキープしないならば惜しい気持ちを捨ててできる限り最高の状態で生かして返す努力をしなければ…。

 

リリースの話をした時に「散々魚を痛めておいて逃しても偽善だ」などと実際に言われたことがある。

そんな時自分は何も言い返せないし、言い返す権利などないと思っている。

なぜなら釣りはエゴでしかないから。

魚を痛めつけ、殺める行為でしかないから。

それでも、リリースした魚がしばらくたってまた釣れたという前例がいくつかある以上、釣り資源のことを考えればリリースをやめろと言うべきではないし、釣り人は釣り人としてできる限りの努力をしていかなければならないと思う。

 

自分はもっと強くならなければ…。